九工大通信 KYUTECH TIMES WEB

vol.66 特集 九工大Now

飯塚キャンパス ピアサポーターインタビュー

最近、よく耳にする“アントレプレナーシップ”聞いたことはあるけれど実はよく知らない、という方も多いはず。今回はそんな“アントレプレナーシップ”について特集してみました!

アントレプレナーシップとは

起業家“精神”のこと。変化が激しく不確実性の高い現代において、自立心?向上心を持って課題解決に取り組み、新しい価値創造にチャレンジできるマインドのこと。

アントレプレナーシップがあると 将来どんな選択をしても必ず役立つ

九工大の取り組み

01|2022年度~大学院生向け/2024年度~学部生向けアントレプレナーシップ関連履修科目を設置

学部?大学院では、起業や社会課題の解決に挑むうえで不可欠なアイデア創出や製品開発、ビジネスプラン策定、組織マネジメントなど、幅広い知識と実践的な方法論を体系的に学べる授業を開講しています。特に大学院にはアントレプレナーシップ教育コースを設けており、修了者には修了証とオープンバッジが授与され、就職活動やキャリアアップに大きな強みとなります。

02|九工大起業家コンテストの実施

学生の皆さんのアントレプレナーシップを発掘?発揮してもらうため、学内で起業家コンテストを開催しています。今年度は9月26日に第6回大会を開催しました。優秀な成績を収めたチームは九州大会に推薦していますが、2年連続で九州大会及び全国大会で優秀な成績(2023年度:準グランプリ、2024年度:グランプリ)を収めており、学外からも注目を集めています。

03|J-PEAKS採択、九工大発 スタートアップの支援

文部科学省の足彩app哪个是正规的6年度「地域中核?特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されました。革新的な技術の社会実装を目指しており、その「社会実装」の手段の一つがスタートアップ創出です。また、本学独自の取り組みで、イノベーションの創出を通じて、社会課題解決を目指している九工大発ベンチャーを「九工大発スタートアップ」として、事業推進支援を行っています。

Advice

教養教育院 人文社会系 教授/
GCE?アントレ教育推進室 副室長
小江 茂徳さん

山口 駿範さん

アントレプレナーシップを身につけるには、アイデアを形にするための理論やスキルに加え、挑戦するマインドを培う実践経験が欠かせません。九工大のアントレ教育では、起業家等による実践的な講義に加え、学びを実践につなげるビジネスプランコンテストや海外学生と共にアイデアソンを行う海外研修(2025年度は募集終了)など、正課外の学びの機会も提供しています。授業を受けるだけでなく、アイデアを形にする一歩を踏み出してみてください。その勇気こそが、新たな価値を創造する力となります。

INTERVIEW アントレプレナーシップを実践している先輩たち

DeckHub 株式会社

下前 仁志さん(左)/ 栗原 佑弥さん(右)

大学院情報工学府 情報創成工学専攻 博士前期課程 2年
第5回九工大起業家コンテスト 優秀賞

下前 仁志さん(左)/ 栗原 佑弥さん(右)

Q1

今どんなことにチャレンジしていますか?

私たちはDeckHubというスライド発表プラットフォームを開発しています。これは、既存の映像配信によるスライド共有では避けられない、画質劣化、遅延、操作の不自由さ、この三つを根本から解決するためのアプリケーションです。そのほかに、支援プロジェクトへの応募やビジネスコンテストへの挑戦などをしてきました。これらを通して、プロダクトが洗練されてきました。

Q2

起業しようと思ったきっかけは?

私たちのプロダクトは福岡未踏的人材発掘?育成コンソーシアムというプロジェクトに採択されており、半年ほど開発?検証を行っていました。内部イベントで実際にプロダクトを使用しながら発表する機会もあり、そこで実際に「使いたい」「販売してほしい」という声を多くいただき、起業を考えるきっかけとなりました。

Q3

やりがいや苦労する点があれば教えてください。

私たちのサービスを実際にご利用いただいた方から「今後も使用したい」と言っていただけた瞬間が最大のやりがいです。
一方で、”無料なら便利”を”お金を払っても必要”と思ってもらえるまでの壁は高く、日々苦戦しています。しかし、この点もやりがいであり、利益を出さないといけないというプレッシャーがあることでより真剣に集中して向き合うことができています。

DeckHubの画面
作業している様子

Kick Space Technologies 株式会社

佐藤 凜さん

工学部 宇宙システム工学科
機械宇宙システム工学コース (2025年3月卒業)
第5回九工大起業家コンテスト 最優秀賞

佐藤 凜さん

Q1

今どんなことにチャレンジしていますか?

2025年7月、九州工業大学の超小型衛星技術を基盤にKick Space Technologies株式会社を設立。地球観測?サイエンス向けに、要件定義から設計?統合?試験?運用まで一気通貫で提供し、慢性的な供給不足の解消に挑戦しています。標準化とパートナー協業で、調達?品質保証?納期のボトルネックも解き、国内外の研究?産業利用を加速させます。

Q2

起業しようと思ったきっかけは?

学部生時代に超小型天文衛星VERTECSの開発に参画し、通信系の開発に従事しました。現場で先生方から、「需要は伸びる一方で統合?製造の人手と実装力が不足している」と聞き、大学の知見を事業化して供給側を強化しようと起業を志しました。研究の成果が現場に届くまでの距離も感じ、産学連携で量産体制を整え、地球観測?サイエンスの挑戦を下支えしたいと考え、起業に踏み切りました。

Q3

やりがいや苦労する点があれば教えてください。

やりがいは、研究成果を衛星として形にし、衛星開発の現場で価値を生む瞬間です。一方、業界の年齢層が高く社会人経験の浅い私には学びの連続です。まだスタートラインに立ったばかりですが、自身も学びを積み重ねて前進します。目標達成に向けて、思いつく全ての手を尽くす。小さく始め、早く試し、失敗から学ぶ。これが起業に向けた一手目だと考えます。

起業家甲子園 総務大臣賞
登壇している様子

Advice

社会実装本部 未来思考実証センター
起業戦略URA

吉本 大祐さん

吉本 大祐さん

九工大は、ベンチャー創出に非常に力を入れており、ご紹介した事業の他にも様々な取り組みを行っています。近年、学生が代表を務める社会課題解決型ベンチャーなども増えている中、九工大に在学している間に起業にチャレンジしてみませんか? 事業開発のプロセス、起業に関する各種手続きなどは、最終的に企業に勤めることになっても、仕事に生かすことができる貴重な経験になると思います。いざ起業となれば、県や市町村のサポートなどにも適宜お繋ぎできますので、まずは気軽にご相談ください!

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